2025/09/17

AirPods Pro 3の“AI機能”にワクワク

最近はスマートフォンをはじめとするデジタルガジェットがだいぶ成熟しており、新製品といっても既存の価値の延長線上にあって正直あまりワクワクは感じにくい。そんな中、先週のiPhone新製品発表会でお披露目された「AirPods Pro 3」は久々にワクワクを感じたガジェットだ。もしかしたらリアルのコミュニケーションが変わるかもしれない──そんな期待を抱く。

筆者が注目しているのは、AirPods Pro 3の「ライブ翻訳」という機能。これを装着して他人と会話すると、相手の声はマイクを通して一度iPhoneへ送られ、ユーザーの言語に翻訳され、その音声が耳に届く。ユーザーが日本人で相手がアメリカ人だとしたら、相手は英語を喋っているのに自分にはそれが日本語として理解できるようになる、という寸法だ。

自分の発話を相手の言語に変換することは残念ながらできない。しかし、相手もAirPods Pro 3を装着していれば同様のことは可能なので、発表会でも会話する二人がAirPods Pro 3を付け、違う言語同士で会話している様子も映された。

実際に機能を使える場面はそれほど多くないだろうし、お互いにAirPods Pro 3を装着している確率はしばらくの間は相当に低いと思われ、総合的に実効性が高いとは評価できない。それでも、インターネットのテキストコミュニケーションの世界では従来からある統計的な言語翻訳や、昨今ではいよいよLLMによって言語の壁が取り払われつつある。それがリアルの世界に及ぶとなったら、また違う世界が見えるのではないかと筆者は考えている。

今までのガジェットにはない新しい体験を垣間見たい人は、AirPods Pro 3は要チェックだ。(井上)