2025/10/29

ChatGPT搭載Webブラウザ「Atlas」に見る“Macの有利性”

先週OpenAIが「ChatGPT Atlas」をリリースして、まあまあの話題になった。AI搭載ブラウザ(なにか名前が欲しいところだ)としてはGensparkやPerplexityが先行しているが、OpenAIもようやく追随した形。

話題性が「まあまあ」なのは、何か超便利な用途が現状見出されているわけでもないことに加え、使えるユーザーが限られているからというのもありそうだ。というのも今のところAtlasはmacOSでしか使えず、Windowsオンリーのユーザーは使う方法がない。

AI系のプロダクトではこういうことがしばしばある。GensparkのブラウザもmacOSが先行した(今はWindows版も公開)し、OpenAIは内部で基本的にMacを使っているようで、例えばChatGPTのデスクトップアプリもmacOS版が先行した。

世界のシェア率でいえばWindows OSの方が大勢ではあるものの、開発者視点の体験ではmacOSが好まれる傾向にある。その上、ローカルLLMの実行環境としてもWindows側はCopilot+ PCでAI処理性能をうたうものの、Macには性能で敵わないのが現状だ。MicrosoftがローカルLLM(Phi-3)のユースケースとして飛行中のフライトアテンダントの端末上での入力アシスタントを挙げていたが、その端末はiPadだったという事例もあった。

法人ユースを考えれば依然としてWindowsが(情シスに)好まれるようには思うが、意外とOSがAI活用の壁になっている部分もあるのかもしれない。(井上)