2026/01/28

「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 冬」開催!

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AI開発にも“ソブリン化”の機運?

ITエンジニアのコーディングを補助する「コーディングエージェント」といえば、昨年の今ごろにはVS Codeの拡張機能としてコーディングを補佐する「Cline」が話題になったが、その後の流れではAIエディタ「Cursor」なども話題になりつつも、現在のところは「Claude」を提供するAnthropicのCLIエージェント「Claude Code」が主流になっているように感じる。つまり、エディタは使うとしても確認や微修正のみで、基本はターミナルからClaude Codeに命令を与えて開発を進めるスタイルだ。

Claude Codeが支持されるのは、基盤モデルであるClaude Opus 4.5やSonnet 4.5の性能と、それらをうまく使うClaude Codeの設計が良いために総合的に体験が良いというのが大きな要因に挙げられるだろう。

その後追いにOpenAIは「Codex CLI」、Googleは「Gemini CLI」などを出していてそれぞれ特徴があるが、最近注目を集め始めているのはオープンソースなCLIエージェントである「OpenCode」と、オープンウェイトなLLM「GLM 4.7」の組み合わせだ。

GLM 4.7はZ.aiという中国発の企業が作るLLM。API利用も可能で安いが、Mac Studioなど大きなメモリを持つマシンであればローカルでの実行も可能だ。また「GLM-4.7-Flash」という小型モデルも出していて、こちらはVRAM24GBのコンシューマGPUに載るサイズながら高い性能を持つとのことで最近注目を集めている。近いサイズではOpenAIのgpt-oss 20Bよりも性能が良いことをうたっている。

GLM 4.7があるからといってClaudeが不要になるわけではない。特にOpus 4.5はコーディング前のプランニングで良い成果を挙げるとITエンジニアの一部には見られているため、Claudeを含むいろいろなモデルとCLIを並行して使うことで開発していくスタイルはまだ当面続くだろう。

しかし、完全にローカルに置けてOSSなエージェントで開発を進められる、というのは比較的新しい体験ではないだろうか。昨年2025年には「主権」という意味の「ソブリンAI」がじわじわと話題になり始めた。海外企業のサービスやサーバに頼り切りだと、いざというときにサービスを断たれる恐れや、入力データを特定国の法律の下に接収されてしまう恐れなどがあるからだ。

GLM 4.7自体は海外のモデルではあるものの、モデルファイルをローカルで実行するならばそういった外部からの干渉を受ける心配はない。

杞憂であればよいのだが、そうした地政学的な懸念もある中で、“主権が及ぶ”オープンなモデルやエージェントへの注目が今後さらに増えるのかもしれない。(井上)