2026/03/11

LLM「Qwen3.5」がすごいが開発体制に暗雲も

AlibabaのLLM「Qwen3」が出てきたときにもこれはすごいぞというコラムを書いたが、2026年2月中旬から末にかけて同社が発表した「Qwen3.5」シリーズがさらに進化している。大型モデルがクローズドの最新モデルに近い性能を出していることもそうだが、比較的小型な27Bや35B A3Bといったハイエンドグラフィックスカードに載り切るようなモデルでも、Anthropicの「Claude Sonnet 4.6」に近い性能を見せる。

そのためAIアーリーアダプターの中で話題になっていたのだが、同シリーズの最小モデルとなる0.8B〜9Bの発表の直後にQwenの開発コアメンバーが電撃辞任。周辺情報から察するに納得づくの辞任ではないようで、Qwenの開発方針に変更があり、例えばこれまでのオープンウェイト戦略をやめてクローズドに転換するのではないか、など不安の声がささやかれた。

取材に対してAlibabaは「オープンウェイト戦略に変わりはない」とコメント。それならばひとまずは良いものの、開発コアメンバーが辞めた背景についてはコメントがなかったため、今後のQwenの開発スピードに対して好材料があるわけでもなく、とりあえずは様子見といったところ。

それにしてもQwen3.5 27Bは本当に性能が良く、もちろんClaude Opus 4.6やChatGPT-5.4に比べれば何段か劣りはするのだが、少なくともChatGPT 4系列よりは明らかに上であるように思う(共感性についてはまた別)。それがコンシューマー向けグラフィックスカードだけで動いてしまうのは個人的には隔世の感がある。

世界情勢が日に日にきな臭くなる中、米国も中国も、そして日本もどうなるか見通しが立たない。政治的にAIサービスの海外提供に制限がかかる可能性や、エネルギー・半導体サプライチェーンが不安定になればサービスの価格が上がる可能性もある。ローカルLLMの実行環境と高性能なモデルは、そんな場合にもAI利用を継続するためのライフラインになるかもしれない。(井上)