エスカレータの耐荷重を知るのもBCP? [ITmedia エンタープライズ 水曜日版(AdminIT) 2008/08/06]


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【ITmedia エンタープライズメール 水曜版:AdminIT】2008.08.06
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http://www.itmedia.co.jp/enterprise/adminit.html


ITmediaエンタープライズ AdminITでは企業ITシステムの管理に携わるシステム
マネジャーを対象に、その役割を運用からサービスマネジメントへと昇華させ得る
イノベーティブかつ好奇心を刺激するコンテンツをお届けします。

(担当より)
8月3日、東京ビッグサイトで開催されたワンダーフェスティバル 2008[夏]。
今年は残念な形でテレビや新聞などのメディアに取り上げられることになりました。
そう、「エスカレータの停止・逆送事故」です。まずはお怪我をされた方の一日
も早い回復をお祈りいたします。

本稿執筆時点の報道によると、エスカレータの荷重制限を超えた人数が同時に乗った
ことによる事故、という線で警察の捜査が進んでいるようです。製造元の
日本オーチス・エレベータでは、荷重制限を1ステップ当たり130kgと設定している
とのこと。当然この重量では、成人男性2名が1ステップに乗ることを保証するのは
難しく、2ステップに大人3人が乗るといった利用状況を想定しているそうです。

実はわたし自身、「1ステップに2名乗る」というのはエスカレータの常識的な利用法
だと考えていました。混雑時などに1ステップを1名で占有し、横に荷物を置いている
人などを見かけると「マナー違反だよな……」と思うこともしばしば。でもそれは
「エスカレータの可用性に対する認識不足」ということになりそうです。

東京の、それも鉄道各駅のエスカレータなどでは、ステップ左に人が乗り、右は先を
急ぐ人たちが上っていく、という光景を目にします。それに比べれば、
当日エスカレータに乗り合わせた岡田斗司夫氏のブログにもある通り主催者側および
参加者側の対応は十分に慎重だったと考えられます。問題を解くカギは、関係者の
多くが慎重であったにも関わらず、エスカレータという重要なインフラの可用性が
周知されていなかったというところにありそうです。

自らが運営、あるいは参加する組織の可用性を把握し、その(ビジネス)継続性を
検討する姿勢は、企業ITシステムに限らず重要だと言えるでしょう。

※参考記事
毎日新聞の記事(8/4付)
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080804k0000e040061000c.html
岡田斗司夫氏によるblogエントリ(8/3付)
 http://putikuri.way-nifty.com/blog/2008/08/post_84af.html
ITmediaによるワンダーフェスティバル 2008[夏]リポート
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1B/8t/x/games/articles/0808/04/news046.html

 さて、今週からAdminITの週間記事ラインアップをお届けします。
                               (編集部石森)

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■AdminIT 今週の注目記事
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BCPは保険にあらず――地震大国で事業を行う覚悟はあるか
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/8t/x/enterprise/articles/0807/29/news018.html

先日来、東北地方がしばしば地震に襲われている。関西在住の筆者は、1995年1月に
起きた「阪神・淡路大震災」の被災者でもある。地震に関してはおそらく他地域の人
たちよりも敏感になっており、そして恐れている。しかし東京などでは、軽い地震に
“慣れっこ”になってしまい、「ああ、またか」という認識を抱く人も多いと聞く。

危機的状況になっても取り乱さず冷静に対応することは重要である。しかし、
その危機を前もって予見し、それなりの対策をすることはもっと重要ではないか。
しかし残念ながら「予測可能な危機に対して前もって対策している」度合いは、
非常に少ないと言えるかもしれない。

今回は、かかる不測の事態に備え、企業における「事業継続性管理」について
考えてみる。

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╋AdminIT 週間ラインアップ(2008/07/29〜2008/08/04)
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ビジュアルなグラフで理解:
IT業界には派遣が少ない?――日本では受託開発型が主
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/8t/x/enterprise/articles/0808/04/news002.html
同じIT企業といっても、国によって事情は異なる。例えば米国ではパッケージ開発が
コアビジネスだが、日本のIT企業は受託開発がメインだ。この違いが、数字のうえに
どのように表れるのだろうか?(08/04)

今日から使えるITトリビア:
アバターの由来――古代インドの神様は10のアバターを使い分けた
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/8t/x/enterprise/articles/0808/02/news002.html
オンラインコミュニケーションに欠かせないアバター。インターネットサービスの
ユーザーの多くがアバターを持ったことがあるはず。意外なことに由来はインドの
神話までさかのぼれるのだ。(08/02)

転送速度が1.5倍に:
日本IBM、「業界最速クラス」のテープドライブを発表
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/8t/x/enterprise/articles/0807/31/news071.html
日本IBMは9月5よりテープドライブの新製品を販売開始する。従来製品と比較して
転送速度を50%以上向上させた「業界最速クラス」の製品になるという。(07/31)

エコノミーモデルは10万円以下:
IBM、x86サーバのエントリーモデルを2種類発表
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/8t/x/enterprise/articles/0807/31/news057.html
日本IBMは、タワー型x86サーバにエントリーモデルを追加。従来モデルと比較して
最大1.6倍のコストパフォーマンスを実現したという。(07/31)

企業競争力のカギ:
インフラ部門をビジネスドライバーへ導くサービスマネジメント
IBMはTivoliで実現するITSMがインフラ部門のビジネス的価値を向上させ、
企業競争力を高めるカギになると考えているようだ。(07/31、PlanITと同時掲載)

悲しき女子ヘルプデスク物語:
買ったのはCDじゃなくてソフトでしょ!
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/8t/x/enterprise/articles/0807/30/news010.html
どんなにわたしを頼られても、魔法のステッキですべて解決してあげられる
ワケじゃない。時には「ムリなものはムリ」と伝えることも大切なはず。
ああ、こうして人は大人になっていくのね。(07/30)

サービスセントリックな企業ITを目指す:
日本HP、ITILv3準拠のプロジェクト管理ソフトウェアをリリース
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/8t/x/enterprise/articles/0807/29/news097.html
日本HPはITILv3ベースのプロジェクト管理ソフトウェアでユーザー企業のビジネス
部門とIT部門のギャップ解消を目指すという。(07/29、PlanITと同時掲載)