DeNAキュレーション問題「第三者委報告書」の中身がすごかった [ITmedia NEWS アンカーデスクマガジン 月曜日版 2017/3/20]


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◆◆◆      月曜日版:ニュース トピックス
◆◆                               2017.3.20
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ITmedia NEWS アンカーデスクマガジン月曜日版は、おさらいしておきたい先週のニ
ュースをご紹介します。

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         ウィークリートピックス(2017/3/13〜3/17)
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◆ロボットだらけの「変なホテル」舞浜にオープン 内覧会に行ってきた
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1C/news/articles/1703/15/news094.html
千葉県浦安市に3月15日、ロボットを活用したホテル「変なホテル」がオープン。140
体のロボットに対し、人間のスタッフは1〜2人。その内覧会に行ってきた。

◆東芝・綱川社長「東証2部降格を覚悟」
 「核となる事業」なく……どう立て直すのか
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1C/news/articles/1703/14/news133.html
上場廃止の危険と隣り合わせの東芝。「東証2部降格は覚悟している」――半導体事
業など「核となる事業」がなくなる東芝を、綱川社長はどう立て直すつもりなのか。

◆米Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEO退任へ 退職金は約26億円
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1C/news/articles/1703/14/news057.html
2012年から米Yahoo!のCEOを務めてきたマリッサ・メイヤー氏が、米Verizonによる主
幹事業買収が完了した段階でCEOを退任する。退職金は約2300万ドル。後任は米IACの
CFO、トマス・マキナニー氏。

◆「ほぼ日」上場 初日は初値付かず
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1C/news/articles/1703/16/news101.html
Webサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」などを運営する「ほぼ日」がJASDAQに上場。買い
注文が集まり、初値は付かなかった。

◆LINEモバイル、2017年初夏に「通話定額オプション」提供へ
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1C/news/articles/1703/14/news120.html
LINEモバイルが16年9月に開始したMVNOサービス「LINEモバイル」の実績と利用動向
を発表。ユーザーの平均月額基本利用料は1600円(17年2月時点)。平均1290円だっ
た16年10月時点と比べて310円アップしたという。

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  コラム:DeNAキュレーション問題「第三者委報告書」の中身がすごかった
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 先週の注目ニュースはなんといってもDeNAの一連の発表でしょう。第三者調査委員
会が公開した報告書は全276ページ、要約版ですら32ページという超大作で、月曜日
はこれに目を通すのにだいぶ時間をとられました。

■利益優先でリスク軽視 医療記事の監修「コスト見合わない」と見送り……
DeNAキュレーションサイト問題の背景
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1D/news/articles/1703/13/news114.html
■「再開めどは白紙」「収益の柱にするのはあり得ない」――DeNA南場会長、キュレ
ーション事業の今後に言及
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1D/news/articles/1703/13/news130.html
■「肩こりは幽霊が原因」 WELQの“トンデモ記事”ができるまで
調査報告書で明らかに
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1D/news/articles/1703/13/news091.html
■DeNA、キュレーション問題で関係者処分 「iemo」村田マリ氏・
「MERY」中川綾太郎氏辞任
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1D/news/articles/1703/13/news082.html
■DeNA、南場会長が代表取締役に復帰
http://magredirect.itmedia.co.jp/r/0/1A/51t/1D/news/articles/1703/13/news069.html

 報告書には「肩こりは幽霊が原因」といったトンデモ記事が生まれてしまった背景
なども詳しく書かれていますが、個人的に最も興味深かったのは、第三者委による同
社の構造分析です。

 モバイルゲーム事業に次ぐ収益の柱を作ろうとした同社経営陣が、当時急拡大中の
「キュレーションサイト」を手掛けるベンチャーを続々買収。その際、記事内画像の
著作権問題をはじめとするリスクを認識していたにも関わらず、利益を優先するあま
り軽視してしまった……ということが書かれています。

 中でも報告書で注目すべきは、かねて「永久ベンチャー」を掲げているDeNAが、
スピード感のある意思決定を重んじるあまり、リスクを軽視する“免罪符”として
この「永久ベンチャー」という言葉をとらえるようになってしまっていたのでは――
という分析。報告書の要約版後半には、このような言葉が書かれています。

“DeNAは、自らの成長により他の立派な企業から得られた評価と信頼に応えようと意
識していた一方で、いつのまにか自らが欲することを行いやすくするための「免罪符
」として「永久ベンチャー」というスローガンを都合良く唱えるようになってしまっ
ていたのではないか。当委員会は、DeNAがそのことを真摯に反省し、真に醸成すべき
ベンチャーマインドとは何か、「永久ベンチャー」であり続けるとはどういうことな
のか、死守すべき絶対条件は何なのか等について再度明確に正しく定義付け、全員の
共通認識とすることを、再発防止の根底に置くべきと考える。”

 メガバンクがベンチャーと組んでオープンイノベーションを指向するようになった
ように、社会構造が急速に変化している今、企業の大小を問わず「変革」がこれまで
以上に求められています。そこではいわゆる大企業病(検討に時間がかかり決定が遅
い、など)が忌避されがちですが、企業内、組織内、さらに個人の中に、「攻めの心
」と「守りの心」を両方持っていくことが求められていることが読み解けます。

 第三者委報告書は、誰でも読める形で公式サイト( http://dena.com/jp/ir/ )に
公開されています。全てのビジネスパーソンにとって価値ある内容になっていますの
で、お目通ししてみてはいかがでしょうか。
                              (編集部 本宮)