人工知能技術は黒魔術なのか [ITmedia NEWS アンカーデスクマガジン 月曜日版 2017/6/26]


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◆◆◆      月曜日版:ニュース トピックス
◆◆                               2017.6.26
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 http://www.itmedia.co.jp/news/ 

ITmedia NEWS アンカーデスクマガジン月曜日版は、おさらいしておきたい先週の
ニュースをご紹介します。

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         ウィークリートピックス(2017/6/19〜6/25)
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◆「棋譜」に著作権はある? 「無断中継」なぜNG? 朝日新聞に聞いた
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/22/news113.html 
「朝日杯の棋譜中継は権利の侵害に当たります」――「朝日杯」の棋譜を無断で中継
したYouTuberに対して、朝日新聞社がこんな要請をして物議をかもしている。どんな
権利が侵害されたと考えているのか、朝日に聞いた。

◆東芝、東証2部降格が正式決定 8月1日付で
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/23/news124.html 
東京証券取引所が、東芝の上場市場を8月1日付で東証1部から2部へと指定替えすると
発表した。2016年度期末(17年3月末)時点で「債務超過の状態であることが確認さ
れたため」。今期末までに債務超過を解消しなければ、上場廃止になる恐れがある。

◆電通が「肯定ペンギン」商標登録していた 17年に追加出願 なぜ?
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/23/news075.html 
電通が「肯定ペンギン」の商標を2015年に出願・登録し、17年5月に追加出願してい
たことが分かった。ネットでは、個人イラストレーターの人気LINEスタンプ「肯定ペ
ンギンのあかちゃん」を後追いしたのでは――といった声もあるが、電通は15年から
「肯定ペンギン」ブランドを使用しており、2度目の出願理由は「業務上のニーズか
ら」だという。

◆ドンキの4Kテレビ、売れすぎ予約休止 「ジェネリックREGZA」と話題に
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/22/news058.html 
ドン・キホーテは、東芝製メインボードを搭載した4Kテレビについて、初回生産分の
3000台が発売1週間で完売したと発表した。現在は予約を一時休止している。

◆ノキア、日本市場に9年ぶり再進出
 1万円を切る「Wi-Fi対応体重計」など ヘルスケア注力
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/21/news135.html 
Nokia Technologies Japan(ノキア日本法人)は、日本の一般消費者向けデジタルヘ
ルスケア市場に進出し、新製品を投入する。スマートフォンと連携するWi-Fi対応体
重計や海外で発売済みのウェアラブル活動量計を、家電量販店などで順次発売する。

◆孫社長「訪日外国人向けの無料Wi-Fiはなくすべき」
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/21/news094.html 
「2020年の東京オリンピックに向けて、ぜひ訪日外国人向けの無料Wi-Fiスポットを
充実させてほしい」。6月21日のソフトバンクグループ株主総会で挙がった株主から
の質問に対して、孫正義社長の答えは「やりましょう」でも「検討しましょう」でも
なく「むしろなくすべきだと思っている」だった。

◆「少年ジャンプ」公式マンガ制作ツール「ジャンプ PAINT」登場
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/22/news125.html 
「少年ジャンプ」公式ペイントツール「ジャンプ PAINT」が登場。PCやスマホで、オ
リジナルの漫画を描いたり、プロ漫画家の原画を手本に練習したりできる。無料。

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   コラム:人工知能技術は黒魔術なのか
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「人工知能の分野では、だんだんと黒魔術の影響力が強くなってきています」――今
年の電王戦で佐藤天彦名人を破った将棋ソフト「Ponanza」を開発した山本一成さん
(愛知学院大学特任准教授)が、NHKの番組「視点・論点」で語ったこんな話が注目
を集めています。

◆「人工知能は、黒魔術の影響が強くなっている」
“最強将棋ソフト”Ponanza開発者が語る
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/21/news075.html 

Ponanzaは開発からわずか10年で名人に勝つまでに成長。山本さんは、自分で開発し
たプログラムながら「理論や理屈だけではわからない部分が沢山でてきている」と告
白。このように、人工知能が飛躍的に成長する中で「なぜ効果が出るのかわからない
技術」を総称して「黒魔術」と、人工知能研究の分野では呼んでいるそうです。

黒魔術というと“邪悪な目的”の魔術というイメージがあります。電王戦の終局後に
山本さんは「コンピュータが将棋棋士に勝つという、一昔前では信じられないことを
達成でき、非常にうれしく思う」と語っていました。そんな山本さんが、Ponanzaを
“白魔術”ではなく“黒魔術”と表現したのは、筆者からすると意外でした。それほ
ど開発者側も困惑している事態なのかもしれません。

電王戦では、山本さんは「(Ponanzaは)ものすごく進歩したが、まだ底が見えてい
ない」「この戦いを見た学生には、人工知能とまではいかなくてもプログラミングを
学んでほしい」とも語っています。山本さん、もしくは未来の研究者が、黒魔術の真
相を明らかにし、白魔術へと変える日は来るのでしょうか。

                             (編集部 片渕)